埼玉県支部2009年度見学会報告

 

 

埼玉県支部では2009年度定例行事とし20091116()に筑波研究学園都市所在の高エネルギー加速器研究機構及びJAXA 筑波宇宙開発センターの2研究開発機関の見学を行いました。

企画の初期段階ではJAXAに目標を定めていましたが、冨士原支部長からの「折角遠方まで出かけるのであれば、2箇所訪問できないか」との助言も頂き、両機関のご協力による日程調整と貸切りバス利用により2箇所の見学が実現されました。

当日は冨士原支部長をはじめとして、支部会員25名、会員家族3名、計28名の参加者が午前8時さいたま新都心駅に集合、大型観光バスに乗り込み一路筑波へと向かいました。



[高エネルギー加速器研究機構(以下KEK)]

途中休憩を含め行路は渋滞もなく予定通り午前10時半に研究学園都市の最北部に位置するKEKに到着。まず見学者ホールで施設概要の説明を受け、「宇宙の始原を解く」という究極の課題に挑む研究状況を頭に入れ各研究装置類の見学に進みました。おりしも「事業仕分け」が話題になっている時期でしたが、「KEKは(幸いにして)同じ高エネルギー加速器であるSPRING−8と異なり、「仕分け」対象外との説明で一同ほっとした次第です。各設備の説明にはKEKのご配慮により専門の現役研究者が時間を割いて当たってくださり、この分野は学生時代には黎明期であった大半の参加者には大変手応えのある(難しい部分もある)、中身の濃いご説明を伺うことができました。

また埼玉県支部では見学会直前の11月8日に技術研究会でKEK片山一郎名誉教授による

CPの破れー小林・益川ノーベル賞理論」についての講義を頂いたばかりであり受講者の冨士原支部長はじめ専門的質疑が行われ蔵前ならではの見学風景で盛り上がりました。また加速器、検出測定機器の随所に既製品でない「手作りの味」が盛り込まれており、単に「お金さえかければよい研究ができる訳ではない」ことも実感でき意義深い見学でした。

最後に

2010年秋には周長3KMの加速リングの定期修理が予定されておりトンネル内部の見学が可能とのお話も頂きました。



[JAXA 筑波宇宙開発センター]

再び貸し切りバスに乗り宇宙開発センターに向かい、同センター食堂内の個室で一同ゆっくりと昼食、休憩を取り宇宙センターの見学に向かいました。

宇宙開発センターの一般見学コースは国際宇宙ステーション実物大試験棟を含む施設全般コースと、「きぼう」運用管制室見学の2種類があり今回は前者の施設全般ツアーに参加しました。

見学の冒頭に視聴覚室でビデオにより全体の把握を行い、展示室における

日本が打ち上げてきた各種ロケット、人工衛星の発展の歴史を迫力のある実物大モデル等により実感、続いて国際宇宙ステーション日本実験棟(きぼう)の内部に入り現在野口飛行士が活躍中の実験棟とほぼ同一設計・寸法の「現物」に触れることができました。この実験棟は筆者が数年前にケネディ宇宙センターで見学したスペースシャトルの貨物室よりは大分大きいものの限られた空間であり居住棟はこれよりも狭いとのお話を伺い厳しい環境下で高度な実験研究をされる宇宙飛行士のご苦労がしのばれました。無重量(微小重力)環境下での作業の訓練のための試験等、つましは水深10mの円形の巨大なプールや宇宙飛行士の基礎訓練を行う訓練等いずれも現役で稼働中の施設を見学し、スペーストイショップでの本物の宇宙食などのお土産の買い物などを楽しみ屋外に設置されている巨大なH-1ロケットの前での全員の記念撮影で見学を終え帰路につきました。帰路ではビールとおつまみを頂きながら見学の感想を語り合い、守谷サービスエリア経由で午後6時、さいたま新都心駅に全員事故なく到着、解散いたしました。

お世話になったKEKJAXAの方々や木村観光バス運転手、ガイド、添乗員の皆様に謝意を表する次第です。

写真:利根川宏支部常任幹事(S37)

記事:山口健二支部企画担当(S37)