2009年度埼玉県支部総会・講演会のご報告

 

支部総会:

2009年度の埼玉県支部総会は、本部からお迎えした岡田理事と支部会員の総計43名が参加して、例年と同じ北浦和の埼玉県労働会館で2009614日(日)午後130分から開催されました。冨士原支部長を議長に選任して、2008年度事業と決算・2009年度の事業計画と予算・埼玉県支部役員の一部変更の3議題を審議し、すべて原案通り承認となりました。 2009年度は、支部会員の参加で講演会・見学会・新年会等の例年の行事を行いその融和を図り、また「くらりか」グループの理科教育活動を一層充実して社会貢献の一助を図ることしました。

また支部予算は昨年度並み会員数のもと収支均衡型とすることとしました。



支部講演会:

総会に引続き、母校元学長、文化功労者末松安晴先生を講師にお迎えし講演会を開催しました。

参加者は総会出席の冨士原支部長始を始めとする支部会員44名に加え、如水会(一橋大学同窓会)、蔵前工業会東京支部会員にもご参加頂き総計55名が末松先生の謦咳に触れました。

末松先生の輝かしいご経歴、ご業績は会員の皆様熟知の通りですが、今回はご経験の中でも特にご努力を重ねられ、我が国はもとより世界の光通信インフラの構築に多大な貢献を果たされた単一モードレーザーの開発に関わるご苦心とその成果についてご講義を頂きました。ご講義は古代メソポタミアの「ハムラビ法典の石碑」に端を発する4000年にわたる通信形態の推移を概観し今日のインターネットに代表される高度情報通信至る技術の変遷とそれが持つ意義についてのビジョンを述べられ、次にこれらの経緯を踏まえ「この世にないものをつくりたい」という先生の固い信念が如何に個々の独創的な発見、発明に結びつき「単一モードレーザー」の完成に至ったかを具体的事例もあげて詳しく述べられました。悠久4000年の歴史を見渡して来るべき姿を見通す大きなビジョンと、個々の精細、緻密なご研究との融合が生み出す成果に触れ改め大きな感慨を得ました。

次に「大学の苦闘」と題して母校を始め日本の大学が抱える課題、果たすべき役割についての熱い思いとご提言を頂きました。

終わりに蔵前工業会に対する期待と激励のお言葉を述べられてご講演を締めくくられました

講演終了後、蔵前工業会員はもとより、如水会の方からも質問が出るなど、多数の質疑が、引続きご参加頂いた支部新旧役員を交えての懇親会でも熱のこもった議論が行われ、意義深い講演会を閉じることができました。
平原照晏、山口健二記)