蔵前工業会埼玉県支部平成29年12月講演会報告
平成29年12月2日(土)13時30分から大宮ソニックビル7階会議室にて、
JAXA宇宙科学研究所イカロスプロジェクトマネージャの森治氏(東工大H14博)をお招きし
「世界初の宇宙帆船IKAROSが切り開く太陽系大航海時代」のテーマにて、ご講演をいただきました。
イカロスは燃料なしで推進する夢の宇宙帆船で、
ミッションは
@大型膜面の展開(14m×14m厚さ7.5ミクロン)、
A薄膜太陽電池による発電、
Bソーラーセイルによる加速、
Cソーラーセイルによる航行技術の実証
でいずれも成功すれば世界初となります。
2010年5月21日に金星探査機「あかつき」と相乗りで打ち上げられ、
同年12月8日に金星を通過し全てのミッションを達成しました。
現在は後継機の検討を進めており、
IKAROSの10倍の面積の帆とはやぶさの2倍の燃費のイオンエンジンのハイブリッド推進により、
木星軌道にあるトロヤ群小惑星で地下サンプルを採取し、地球への帰還を目指しているとのことです。
最後に森氏からは東工大生への期待と、日本が一流国とし生き残るには、常に夢を持ってものづくりに専念し、
世界をリードする技術立国を目指すべきとのご意見をいただきました。
本講演会は計36名の参加でしたが、
一般参加のさいたま市青少年宇宙科学館スタッフ2名の方から
「このような夢のある話を是非若い人に聞かせたい」との強い要望を、特に懇親会の席でお聞きしました。
なお講演のレジメおよび会場の写真も別に掲載しておりますので、ご参照ください。
(埼玉支部企画幹事 武笠吉久 S47金属)