開催日平成13121日(日)、於北与野駅西口前アルーサ清水園、前日からのかなり激しい雪もあがって、一面の積雪に太陽の光が眩しく輝き、予報よりかなり多い積雪に電車の運行にも影響がと心配されたが、それでも受付け開始時刻の1130頃には、早めにおいで頂けるようにとあらかじめお伝えしていた事が幸いしてか、すでにかなりの人々が到着しており、受けつけ周辺でそれぞれ年始の挨拶を交わす光景が見られた。既に年が明け、世紀も変わり新年4週目に入って迎える新年会の開演間際の様子であった。

定刻を少し過ぎたが、大半の方々が受け付けを終えた所で開始となった。略100名の方々の出席である。“皆で唄おう”を今年のモチーフとした当日配布資料には、「東工大学歌」、「学生歌」、第三高等学校ボート部歌「琵琶湖周航の歌」と一橋大学創立75周年記念歌「武蔵野深き」等の歌詞が紙面1ページに用意されていた。長屋常務理事、石井事務局長のお二人に来賓としておいで頂き、更に特別に埼玉県在住の一橋大学同窓会の一員である栗屋尚胤氏、木村幹氏のお二人の参画を得て同学記念歌 「武蔵野深き」をご披露頂くことになっていた。5大学連合構想を取りざたされる昨今最前線での交流の場の実現である。

昨年新しい世紀を目前にして亡くなられた9名の方々の冥福をお祈りする黙祷を皮切りに新年会セレモニーに入った。「学歌」を東工大管弦楽部のオーケストラを伴奏にしたテープに合わせ、S37山口、S43吉田、S46横堀の3人の有志の斉唱は、冒頭のセレモニーには大変ふさわしい「式典歌」として聞く事が出来た。支部長の開会の挨拶、来賓お二人にご祝辞を頂戴したのち、当日最長老のS13年卒中沢達二氏の音頭により乾杯となった。この間 昨年の秋季叙勲 「勲3等旭日章」に輝いた前支部長須田稔先生に拍手をもってお祝い申し上げる事ができたことは、先の白川秀樹博士のノーベル化学賞授章に続いて我々の誇りとするところであった。

冒頭に歌有れば馴染み易く、賑やかにそれぞれのテーブルで会話がはずんだ。この騒然とした会話を制するように、先の3人の先導で「学生歌」を全員で合唱した。「学歌」と相い前後して制定されたのものだそうで、「学歌」の荘重さと違って大変唄い易く、覚え易く、短節に分けて3人の先導に追唱を2.3回しただけで、全員が高らかに声をそろえて唄う事が出来た。久しく忘れていた“皆で唄う”事がやっと実現した。全員の屈託ない声が部屋中に響き、これまでの我々の会合では、かつて経験した事のない得難い一時であった。歌名を記した幟を合図に、予期しなかった多くの方々が台上いっぱいに広がって唄う

「琵琶湖周航の歌」、続いて一橋大学のお二人による「武蔵野深き」に励まされ、更に評判の高い鄭江明氏のハーモニカ、又平坂重雄氏が美声で唄うサンタ・ルチアの飛び入りご披露等、次々にプログラムは進行した。思えば今日の出席者の年齢差は50才にあまる。。この年齢差を越えて一堂に隔てなく会せる所以は、声を出して唄う事に始まる。残念なことに若年層の出席者の数がその年の卒業生の数に反比例して年々少なくなることだ。若い者とて、大学に繋がる思いを共に唄う事を辞する理由はない。一年一度のこの機会に、若い者こそ先進の輩と会して語り唄う中に、同窓の暖かみを感じて欲しい。

恒例の支部行事、同好会の説明の後、S16年五十嵐洋氏のご発声による万歳三唱、副支部長による閉会の辞をもって終宴となった。定刻を15分程過ぎていた。

今年は大学入学のセンター試験と日が重なり、関係者が本会にやむを得ず出席できなくなった方が多々おられた。来年はこの日を避けて且つ、会場の都合も考慮して1/26(土)を当てている。

                                                           (S29 白井記)